ケンブリッジ雑記帳2017-18

Cambridge Judge Business School (MBA) Class 2017-18に通う純ドメ日本人の備忘録。

Cambridge Venture Project

気が付けばすっかり冬に近づいている。数日前は突発的に気温が2度まで下がって、そのせいもあってかまんまと発熱してしまい、今も喉の痛みに苦しめられている。同じスタディグループの女の子も同時に発熱したし、クラス中で風邪が流行しているように思う。ちょうど最近では表題のCambridge Venture Project(CVP)が始まったり、Entrepreneurshipのレポート(これが初レポートになる)があったりで、皆すごくバタバタしていた。やっと今日アントレレポートの提出が終わり、来週はキャリア系のイベントが多くて束の間授業がないので少しほっとしたところ。(その直後にはFinancial Reporting & Analisisのグループレポート提出があるんだけど…。)忙しくはなりつつも、手の抜きどころなんかも少しずつわかってきた。

 

CVPについて少し書いておきたい。
ケンブリッジMBAは、実践的なプロジェクトがいくつもあるのが売りだ。基本的には、一学期(Michaelmas Term)にCVPがあり、二学期(Lent)と三学期(Easter)の間にGlobal Consulting Project(GCP)がある。

後者のGCPは、会社や組織にかかわるコンサルティングプロジェクトで、対象は英国内に留まらず、それまでに学んだ内容を活かしながら1か月近くフルタイムでプロジェクトに取り組む。顧客のソーシングを学生ですることも可能。

かたやCVPは、学校側で選ばれたクライアントに対して、学校側で決められたStudy Group単位でアサインされる。Ventureと名がついているだけあって、クライアントは基本的にはケンブリッジ周辺のベンチャー企業などが多く、新商品などをどのエリアに売り込んだらいいかのマーケットリサーチが主。Michaelmasの他の授業と同時並行で、ほぼ2か月かけて進めていくことになる。つまりはまだ授業でハードスキルなどを吸収する前にプロジェクトに入るので、「多様性のあるチームの中でどのようにチームを効率的に運用するか」を実践で試行錯誤するというのが目的。

CVPはManagement Praxisという授業とセットの扱いになっていて、同授業中にはチームワークやリーダーシップについてのセオリーを学ぶ。最後のレポートでは「CVP中にグループ内(又はクライアント他関係者)と生じたインシデントにつき、学んだセオリーなどを活用してどのように対応したか」を書いて提出することになる。

 

まとめると、初期段階のCVPでチーム運営上の学びなどを得て、その後一定のハードスキルを得た上で再度GCPにトライするという二段構えになっているのが特徴ということ。やはり「チームをどうmanageするか」みたいな話は机上で学んで机上のケーススタディなどに取り組んでも血肉にしにくい部分があるので、この実践的なプログラムはとても有益だと感じている。

 

スタディグループは多様性を意識して割り振られるが、私のチームは、生まれも育ちもアメリカなのが2人(バックグラウンドはそれぞれ金融プロジェクトマネジメント、融資&デリバティブ)、バングラデシュ出身アメリカ育ちが1人(エンジニア)、タイ人(マーケティング)が1人という5人体制。他のグループに比べるとややアメリカとファイナンスに偏っている感じもするけど、やはり個性やカルチャーがバラバラで色んな事が起きる。

ミーティングの後には毎回互いにフィードバックをしたり、ミーティングのリーダーを順繰りに回してリーダーがその回はきちんと仕切る、ということなども試していて、うまく書いてまとめられないくらい相当いろいろなことを学べている。

基本的には語学面の問題を中心に歯がゆかったり悔しい思いをしたりすることが多いけど、徐々に自分の「色」というか、貢献できるポイントが見えてきた気がする。特に先日Financial Reporting & Analisisのケーススタディ(財務分析と収支予想で私のストライクゾーンど真ん中に好球投げ込まれた感じ)をやった際には、チームメンバーから「あの時の〇〇はBeastみたいだった。速攻でケースをぶっ殺してくれてありがとう」とかなり褒めて(?)もらえた。不思議なもので、まだ一か月近くしか一緒にいないけど、スタディグループのメンバーから指摘される自分の強み・弱みと自己認識にもあまり差がなかったりする。

 

MBA一か月半の総括としては、まあ、よく言われていることではあるんだけど、この年になって改めて「自分ってラベルを剥がすとこんな人間なんだ」って考え直すのに本当に良い機会だと思う。文化的特徴、個人的特徴、言語的問題から生じる特徴等いろいろあるけれど、会社から離れて、家族も友達も近くにいないまっさらな環境で自分のキャラ(強み・弱み)を改めて認識しなおすというのは中々に新鮮だ。「リーダーシップスタイル」とかそういうかっこいい観点だけじゃなくて、「こういう類のイライラをこの位の期間ひきずる」とかそういうしょーもないことを日々実感していて、これが案外今後の人生に活きてくるんじゃないかなあと感じている。失敗しても損のない期間だから、いろんな方向にできるかぎりストレッチしてみようと思う。