ケンブリッジ雑記帳2017-18

Cambridge Judge Business School (MBA) Class 2017-18に通う純ドメ日本人の備忘録。

Michaelmas (1学期)授業終了

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初雪が降った。

 

木曜日ではやくもMichaelmas Term(1学期)の授業が終わってしまった。来週の水曜にはいよいよCVPの発表があり、再来週にはテストが控えているのでまだまだやることは山積みなのだけど、ひとまず授業は終わり。

 

CVPは発表を控えてやることが煮詰まってきて、どこのグループもかなりカオスなことになってきているようだ。うちのグループでは水曜にグループメイトの女の子が「こんなの間に合わないよ」と泣き出す事態に陥った。うちのグループはアメリカ系バックグラウンドが多数な割に日本的な合議主義を取っているのと、皆真面目でやや完ぺき主義気味なので、やたらめったら時間がかかる割に生産性が上がらない。

その後メンター向けのプレ・プレゼンを経て、まあ「なんとかなるかも」という感じになり、目下なんとかかんとか間に合わせようというところ(ちなみにメンターとはこのプロジェクトを第三者の立場からサポートしてくれる人のこと。我々のチームは日本にも住んでいたことがある60超えのベテランエンジニア起業家で、とてもサポーティブで「あたり」のメンターだった)。なお、テスト勉強は全くしていないのでほぼ一夜漬けでなんとかする予定である。

他のチームの話を聞いていると、コンサル出身者が仕切りまくって完全分業した結果チームワークとしては破綻しているとか、これまで溜め込まれていた不満が爆発して激しい議論になったとか、ここにきて色んなことが起きている。どのようにチームで働くか、どういう場面でどうリードし、どうチームのモチベーションを上げるかなど、実践で試行錯誤を繰り返すことができるので、このプロジェクトは本当に有益だとしみじみ感じている。仕事だと失敗したらヤバイ場面もあるけど、学校ならなんぼ失敗してもまあ死にはしない。

 

最近嬉しかったことは、先日Financial Reporting & Analysisの授業内発表でうちのグループが同Stream(クラス)内で一番に選ばれたことと、その後グループメイトに「一緒にビジネススクールコンペティションに参加しないか」と誘ってもらえたこと。

コンペは3月にNYで開かれるのだけど、校内から1チームの代表が選ばれて参加する形になる。現地ではネゴシエーションとかケーススタディとかのゲームに参加して優秀賞を決めるようだ。

「誘ってもらえて嬉しいけどぶっちゃけ読むの遅いから制限時間内にケースやるのとか不安だし、ネゴシエーションとかめっちゃ英語不安なんですけど…」と言ったところ、「大丈夫だよ、俺たちがいるし。今組成しようとしてるチームには金融バックグラウンドがいないし、Analiticalなメンツが欠けてる。この穴を埋めようと思ったら真っ先に顔が浮かんだし、一緒に2カ月働いて働き方が好きだと思ったから、ぜひ参加してもらいたい」と言ってもらえた。

正直、MBA生活で今のところハイライトだと思えるくらい嬉しいことだった。こっちに来てからずっと語学面の不自由さとかで忸怩たる思いを抱えていたので、それを差し引いても価値を認めてもらえるというのは本当に嬉しいし、自信がついた。やっぱり人間、「必要とされている」と感じることが核の欲求の一つなんだなあ。

喉風邪とGPなど

さて、2週間前に風邪をひいてからずるずると喉の調子が悪くなり、しまいには咳で寝れないわ嚥下痛で栄養もまともに取れないわでひどい目にあった。もともと喉風邪をひくとこじらせがちなので気を付けてはいたんだけどまんまとやられてしまった。なんとか咳喘息になる前に持ちこたえて回復してきたのが不幸中の幸い(空咳は出るけれど)。ほんとに健康って大事で、スムーズに水が飲めるだけでものすごい幸せを感じている。

今回の風邪で学んだことは以下。先人から同様の話は聞いていたけれど、改めて思った次第。

 

①GPはあてにならない。

イギリスはGP制度(かかりつけ医制度)を取っていて、風邪などを引いた場合には登録しているGPにかからなくてはいけない。日本のように、近かったり使いやすかったりする病院(クリニック)を選ぶわけにはいかない。私立クリニックにかかるという手もあるけど、GPにかかればタダで診療が受けられる一方で私立病院だと風邪でもウン万円払う必要がある(特に初診料込だと)。

それで、GPにかかるためには事前に予約を取らなきゃいけないんだけど、その予約が取れない。なお、土日はやってない。

朝9時くらいに受付に電話をかけたら、「うーん、8時半に電話かけてくれないと、今日の予約はもう終わったよ。ちなみに明日の予約は明日の8時半にかけてくれないと取れない。緊急なの?」と言われる。「あの、咳が止まらなくて物も飲み込めないんですけど…」と切々と症状を説明すると、「じゃ、明日の8時半にかけてね。」で終わり。唖然とした。

で、次の日の8時半くらいにかけたら、「今日の予約は終わったよ」と言われた。この時ばかりは思わず覚えたばかりの罵り言葉を心の中で叫んでしまった。あまりにも腹が立って調べてみたら人口あたり医師数は日本よりも多いらしいのに、一体何が起きているんだろうか(私立クリニックの医師が多いのかな…)。

正直、さっさとロンドンまで遠出して、旅行者保険も効く日系病院にかかってしっかり薬もらった方が早かったと思う。

 

②薬局に相談するべき。

薬局のカウンターに相談すると結構強い薬を出してくれる。ただ、そうはいっても対処療法の薬しか出ないし、診察を受けているわけではないので、日に日に症状が悪化していく時には「この対応でほんとにいいのだろうか…」と不安で一杯になった。相談しないよりはしたほうがいいけど、したからといって効いたかはよくわからない。

 

③マスクは簡単に手に入らない。

日本から結構マスクを持って行ったつもりだったけれど、朝晩つけていたら在庫が尽きてしまった。しかし薬局やドラッグストアでは売ってない。最終的には医療用のマスクが50個くらい入った箱をAmazonで買った。喉がやられがちな人はいざという時のためにたくさんマスクを確保しておいた方がいい。

 

④学校はパンデミックに適している

こっちの人は上記の通りマスクをしないし、空調の悪い狭い教室の中でみんな全くご遠慮なく咳をしている。ほんとに危ない。ウイルスや細菌にとっては絶好の狩場だと思う。

 

結局一番効いたのは、インド人(JBSでTech&PolicyのMasterを専攻している)のハウスメイトが作ってくれたジンジャースパイス蜂蜜ティーだった気がする。共用キッチンでお茶漬けをひとさじひとさじ呑んでいたら、見かねたのか作ってくれた。チャイ用のティーバッグを濃いめに出してブラックペッパーとかシナモンを少し加えて、大量の蜂蜜を入れたものなんだけど、これが良かった。このハウスメイトはほんとに親切で、前もチャイの作り方を教えてくれた(めちゃくちゃ美味しかったんだけど自分で再現しようとするとうまくいかない)。人のやさしさというのは本当にありがたいものである。

Cambridge Venture Project

気が付けばすっかり冬に近づいている。数日前は突発的に気温が2度まで下がって、そのせいもあってかまんまと発熱してしまい、今も喉の痛みに苦しめられている。同じスタディグループの女の子も同時に発熱したし、クラス中で風邪が流行しているように思う。ちょうど最近では表題のCambridge Venture Project(CVP)が始まったり、Entrepreneurshipのレポート(これが初レポートになる)があったりで、皆すごくバタバタしていた。やっと今日アントレレポートの提出が終わり、来週はキャリア系のイベントが多くて束の間授業がないので少しほっとしたところ。(その直後にはFinancial Reporting & Analisisのグループレポート提出があるんだけど…。)忙しくはなりつつも、手の抜きどころなんかも少しずつわかってきた。

 

CVPについて少し書いておきたい。
ケンブリッジMBAは、実践的なプロジェクトがいくつもあるのが売りだ。基本的には、一学期(Michaelmas Term)にCVPがあり、二学期(Lent)と三学期(Easter)の間にGlobal Consulting Project(GCP)がある。

後者のGCPは、会社や組織にかかわるコンサルティングプロジェクトで、対象は英国内に留まらず、それまでに学んだ内容を活かしながら1か月近くフルタイムでプロジェクトに取り組む。顧客のソーシングを学生ですることも可能。

かたやCVPは、学校側で選ばれたクライアントに対して、学校側で決められたStudy Group単位でアサインされる。Ventureと名がついているだけあって、クライアントは基本的にはケンブリッジ周辺のベンチャー企業などが多く、新商品などをどのエリアに売り込んだらいいかのマーケットリサーチが主。Michaelmasの他の授業と同時並行で、ほぼ2か月かけて進めていくことになる。つまりはまだ授業でハードスキルなどを吸収する前にプロジェクトに入るので、「多様性のあるチームの中でどのようにチームを効率的に運用するか」を実践で試行錯誤するというのが目的。

CVPはManagement Praxisという授業とセットの扱いになっていて、同授業中にはチームワークやリーダーシップについてのセオリーを学ぶ。最後のレポートでは「CVP中にグループ内(又はクライアント他関係者)と生じたインシデントにつき、学んだセオリーなどを活用してどのように対応したか」を書いて提出することになる。

 

まとめると、初期段階のCVPでチーム運営上の学びなどを得て、その後一定のハードスキルを得た上で再度GCPにトライするという二段構えになっているのが特徴ということ。やはり「チームをどうmanageするか」みたいな話は机上で学んで机上のケーススタディなどに取り組んでも血肉にしにくい部分があるので、この実践的なプログラムはとても有益だと感じている。

 

スタディグループは多様性を意識して割り振られるが、私のチームは、生まれも育ちもアメリカなのが2人(バックグラウンドはそれぞれ金融プロジェクトマネジメント、融資&デリバティブ)、バングラデシュ出身アメリカ育ちが1人(エンジニア)、タイ人(マーケティング)が1人という5人体制。他のグループに比べるとややアメリカとファイナンスに偏っている感じもするけど、やはり個性やカルチャーがバラバラで色んな事が起きる。

ミーティングの後には毎回互いにフィードバックをしたり、ミーティングのリーダーを順繰りに回してリーダーがその回はきちんと仕切る、ということなども試していて、うまく書いてまとめられないくらい相当いろいろなことを学べている。

基本的には語学面の問題を中心に歯がゆかったり悔しい思いをしたりすることが多いけど、徐々に自分の「色」というか、貢献できるポイントが見えてきた気がする。特に先日Financial Reporting & Analisisのケーススタディ(財務分析と収支予想で私のストライクゾーンど真ん中に好球投げ込まれた感じ)をやった際には、チームメンバーから「あの時の〇〇はBeastみたいだった。速攻でケースをぶっ殺してくれてありがとう」とかなり褒めて(?)もらえた。不思議なもので、まだ一か月近くしか一緒にいないけど、スタディグループのメンバーから指摘される自分の強み・弱みと自己認識にもあまり差がなかったりする。

 

MBA一か月半の総括としては、まあ、よく言われていることではあるんだけど、この年になって改めて「自分ってラベルを剥がすとこんな人間なんだ」って考え直すのに本当に良い機会だと思う。文化的特徴、個人的特徴、言語的問題から生じる特徴等いろいろあるけれど、会社から離れて、家族も友達も近くにいないまっさらな環境で自分のキャラ(強み・弱み)を改めて認識しなおすというのは中々に新鮮だ。「リーダーシップスタイル」とかそういうかっこいい観点だけじゃなくて、「こういう類のイライラをこの位の期間ひきずる」とかそういうしょーもないことを日々実感していて、これが案外今後の人生に活きてくるんじゃないかなあと感じている。失敗しても損のない期間だから、いろんな方向にできるかぎりストレッチしてみようと思う。

ロードバイク購入

身内向けに先に謝りたい。また自転車を買いました(初回については以前の記事を参照)。クロスバイクの次にカーボンロードを買うという、1年前とほぼ同じ行動様式を繰り返しています。ただし一応今回は中古。

なお、イギリスで中古自転車をオンラインで買うことについての一般的なTipsとしては、特にママチャリやクロスは玉石混交な感じだと思う。街中の店舗にも在庫が結構あるのでそこで探した方がいいかもしれない。MBAの同級生はネットで中古を買った後に高い修理代(£100オーバー)を払う羽目になったと言っていた。ので、自転車の目利き(最低限安全面の判定)にある程度自信があったり、ある程度は自分でメンテできるよという人はネットを活用してもいいかと思う。

(以下、ややマニアックな単語を含む。あと無意味に長い。学校にはほぼ関係ないです。)

 

**以下(特に身内の自転車乗り向けの)言い訳と説明**

最初に買ったTREKクロスバイクはとても重宝している。フラットな30kmくらいなら全然いけるし。ただタイヤ幅が35cと太いのでやっぱりどうしても重くて、あの「ギュンギュン進むぜ!!」っていうロードバイクの感じにはほど遠い。なので、最初はタイヤを28cくらいに換装しようかと思っていた。ただ、毎日通学に使っていると、ケンブリッジの街中はところどころ路面状況が信じられないくらい悪かったり、めっちゃStop & Goだったり、あと空気を頻繁に入れるのが面倒だったりして、やっぱりここでの街乗り用は35cくらいが良いのかなあと思ったりする。

 

それから、やっぱりケンブリッジ大学の自転車部に入りたいなと思ったのがある。ここに来る前(というか受験中)に調べたときには「レース入賞者やオリンピアンを輩出しているよ」というガチな情報しか見当たらなくて、やっぱり参加は無理かなあと思っていた。が、もっと細かい情報を調べていたら、なんとビギナー向けライドもやっているというじゃないか。距離は50km+、巡航速度は25km。うん、これならロード持ってれば行ける。あとせっかくなら本物の自転車部のサイジャが欲しい。

 

あと、MBA始まる前は土日も全部予定埋まっちゃうんじゃないかなあと思っていたけど、日曜の午前にライドに行くくらいなら大丈夫そうだった。というかむしろそれくらい身体動かさないと心身ともに(特に心が)ダメになっていく気がした。

 

ということで、店舗やネットで中古ロードバイクを物色し始めたのがこの間の週末(さすがに新品は気が咎めた)。これが実際探し始めると、なかなか良いのが見つからない。問題はやはりサイズで、そもそもこっちの人はガタイが大きいので女性用でも160cm前後用のはなかなか出回っていない。もちろんロンドンやもう少し大きい街ならあるんだろうけども。こっちに来たばかりの時に自転車屋でSpecializedの丁度良いサイズのフルカーボン105・SPDペダル付・中古£425を見かけて「なーんだ買おうと思えば買えるんだ」と思ってしまったのが全ての間違いだった。あんな出物はそうそうなかった…(今でも悔やまれる)。一方で男性用の出物はかなりあるように見える(ネットだとアルミのエントリーモデルで£300台)。

 

最終的にはGumtreeというこっちのメルカリみたいなサイトを見ていたら、GIANTの女性用エントリーフルカーボン(avail composite 3)・コンポTiagra・ほぼ新品(元値£1200前後)が£550で売りに出されているのを見つけた。や、安い!!!(安いんです。)

この手のサイトは盗品リスクが高いので慎重に見ていたのだけど、この売り手は「旦那の趣味がロードバイクで自分にもプレゼントしてくれたんだけど好きになれなかった…3回しか乗ってないです」とか説明があって信憑性が高い。試しに連絡を取って価格交渉してみたところ£525まで値下げしてくれて、かつ「家まで見に来て下さい」とのオファーをもらったので、まあ、「見てから決めるから…」と思いながらヘルメット持参でホイホイ出かけて行った。

売り手はケンブリッジ郊外で学生のホストファミリーをしている人で、家もちゃんとしてたし、実物は説明の通り新品と言われてもまったくわからないレベルでスプロケもピカピカだった。シートポストが長すぎてこれ以上サドル下げられないかなと言っていたら旦那さんがガレージから工具出してきてその場でシートポスト切って調整してくれたりととっても親切だった。フリマサイトにしては当たりを引いたと思う。向こうも「旦那のプレゼントだから、ちゃんと楽しんでくれる人に対面で売りたかった」と言ってくれた。

それで結果、買いました。いや、アルミロード相場を考えたら帰国時には最低350ポンド位で売れると思ったので、実質激安です(実質とか言い始めたら終わりである)。

 

唯一アレだったのは、空気入れてもらってから帰ったのに途中で全然進まなくなって、見てみたら前輪がスローパンクしていたこと。2014年に買って3回乗った後ガレージで寝てたらしいので、多分インナーチューブの劣化だと思う。先方に連絡したらすごく謝られて「明日旦那が修理しに行けるよ、もしくは一部お金返すよ」と言ってくれたけど、どのみちチューブは劣化リスク考えて交換しようと思っていたので、特に請求はしないことにした。タイヤやリムのせいだったら請求することになっている。

 

パンクのせいでギュンギュン感はエンジョイできていないけど、とりあえず部屋の中にロードがあるだけで精神的にとても良い。日曜日は他のMBA生も一緒に自転車部のライドに参加予定なので、それまでに装備を整えてメンテしなければ。(ペダルがクリッピングなので換えなきゃいけないんだけど、今SPD-SLを試してみたい気持ちと必死に戦っています。)

 

3週目の振り返り

飛ぶように時間が過ぎている。気が付けば公園の木々も紅葉していて、通学路のParker's Peaceの街路樹もかなり葉を落としている(ちなみにここはサッカールール発祥の地で、この木の間の幅がサッカーゴールの幅になったとか)。毎日必死で予習復習をしていたらそれだけで一日が終わってしまって、かつCambridge Venture Project(またどこかで書きます)という今学期の目玉プロジェクトも始まったので、想定の範囲内ではあるけど本当に時間がない。ただ、少しは生活にも慣れてきた。ADTISの時も3週間くらいしたらだいぶ慣れてきたから、3週間というのは一つの区切りなのかもしれない。

 

先週はFinancial Reporting & AnalisisやCorporate Financeが始まって、ようやくストレスなく受けられる授業だ…とほっとしている。授業中の発言もできた。よく聞いているとクラスメイトの半分くらいは「これ発言することでクラスに新しい視点を貢献できる」という観点ではなくて、脊髄反射で発言しているような気がする。空気を読む日本人的には(?)たぶんみんなそれ分かってるよとか、それは基礎的な質問すぎるからあとで個別に解決しようよとか思ってしまう。その流れには無理に乗っからなくてもいいかなと思ってすこし気が楽になってきた。

 

また、先週はManagement Praxisで日米のビジネス文化を対比するコーナーがあり、我々も短いプレゼンをした。おおむね好意的な評価がもらえたのと、これまで授業にあまり貢献できていなかった中で少しは貢献できたかなというところ。

ちなみに米国のカルチャー(自己主張する、言葉をかぶせるなど)については「世界のマジョリティはそうじゃないよ」といった感じで授業内で指摘されていた。米国人の友人は、「日本のカルチャーには皆好意的だったけど米国は皆に批判されて、相当雰囲気違ったぜ…」とぼやいていた。まあ、MBAでは米国籍の人が一番多い(10%強)し、米国籍でなくても米国ビジネス経験が多い人も多いからほっとくとそれがマジョリティになってしまうので、そうではないよという授業の構成だったのだと思う。

また、これをきっかけに日本文化について聞かれることも増えた。昨日はコロンビア人の友人に「日本は絵画とかでも空白の美があるんだよね。大学で少し勉強したんだけどその概念には本当に驚いたよ。ラテンアメリカでは空白はただのluckだからね。自分たちは会話にも空白を作らないようにしゃべりすぎちゃう。お互いに色々刺激になっていいよね」というような話をされた。

 

授業外では、カレッジのMatriculation(入学式)があった。カレッジによってお作法はいろいろなのだけど、うちのカレッジでは大きくて分厚い本に入学生全員の名前がペンで記入されていてその横にサインをするという、数百年前と同じ方法の儀式を行って、ガウン姿で集合写真を撮った。

それから、カレッジで大学院2年生(College Parent)と1年生数名(College Children)がマッチングされるCollege Familyというシステムがあって、そのFamilyで夕飯を食べにいった。うちのカレッジはどうやらSocial Eventがめちゃくちゃ盛んらしくて、すべてのカレッジにこの仕組みがあるわけではないらしい。少人数の単位を与えられて友達になれるのは私のような非ネイティブからすると非常にありがたい。私のFamilyのMomは化学専攻、Brotherは米国史で、Co-family(一つのファミリーだけだと人数が集まらないことがあるので提携家族がある)のMomは宇宙物理学専攻だったり、面白い。

昨日はケンブリッジで(おそらく)最も盛んなボート部に体験入部してきて、まんまと筋肉痛になった。それからカレッジのMCR(大学院生用コミュニティ)主催のワインテイスティング会に行ったりもした。

 

ということで、おちこんだりもしたけれど、私はげんきです(©魔女の宅急便)。

 

ケンブリッジの食事情①

ケンブリッジに住み始めてから早くも2か月近くが経過しようとしているので、ここらで一旦この街での食事情についてまとめておこうと思う。①とつけたのは、これから美味しい店などが見つかって続編を書ければ良いなという希望的観測によるもの…。

 

一言でいうとなかなかキビシイ。イギリスの食事情はだいぶ改善されてきたというけれど、それでも日本の安くて美味しい店やコンビニ・冷凍食に慣れていると、まずくはなくても美味しくないとか、まあいける味だったとしてもこの値段はないだろっていう感じでコスパが悪い。

日本食に関しては、現状、日本人好みの日本食を出す店は無いと言い切っていいと思う(誰か知ってたら教えてください。昔はあったらしいけど)。Itsu、Wasabi、Wagamama、Yo! Sushiなどイギリスのどこでも見かける日本食チェーンはあるけど、まあ、日本食ではない。唯一あっこれ日本食だなと思ったのはWasabiのチキンカツカレーで、まあ、日本の学食や社食で食べるようなカレーの味がした(なぜか枝豆と人参が添えられているのは置いておいて)。

 

というわけで自炊ができるようになってからはもっぱら自炊をしているのだけど、とりあえず結構使えるかなというお店を記しておきたい。

 

①AROMI(シチリア系イタリアンファストフード)£5~10

ケンブリッジ内に数店舗ある(Grafton、Market Square付近に2店)。店頭に並べてあるピザやホットサンド類を頼むと石窯で焼いてくれて、普通においしい。確か5ポンドくらい。友達が来たときなどのランチで行く機会などに、手堅いし手頃で良いと思う。個人的には具がいろいろ載っているやつよりもシンプルなマルゲリータがおすすめ。

 

②Courtyard Cafe(カフェ) £5~12

Fitzwillium Museum(美術館&博物館)内にあるカフェ。何より学校に近くて、かつ穴場なので結構頻繁に利用している。スコーンやケーキなどのテイクアウトができる他、ランチのSoup of the dayやサンドイッチも結構おいしい(ただしランチメニューは£10弱とやや値が張る)。何気にポットに茶葉で紅茶を提供してくれるので、ゆっくりしたいときには良い。

 

③Trockel Ulmann & Freund (カフェ)£5~10

Language Centerの近くにあるので何度か利用した。Soup of the day(野菜スープ)が美味しかった。その場でプレスして焼いてくれるサンドイッチも悪くない。コスパ的には良いカフェと言えると思う。

 

④Galleria(イタリアン?)£30~50

St. John'sの近く、ケム川沿いにあるレストラン。テラス席からはパントを見下ろせる。貴重な「ふつうにおいしい」料理が出てくるし、眺望も含めればコスパは良い方だと思う。シーフードが結構おいしかった(きちんとふっくら焼いて皮がぱりっとした魚が出てくる)。女友達が遊びにきたときに訪ねたりするのに丁度良いお店。

 

⑤De Luca Cucina & Bar(イタリアン)£30~50

非常に貴重な、「ふつうにおいしいイタリアン」。家族が来た時に行って、あまりにも普通においしいイタリアンが出てくるもんだから心の底から感動してしまった。パスタの茹で具合はアルデンテだし(基本的にこっちのパスタは茹ですぎ)、シーフードのダシがきいたトマトソースがしっかりと麺に絡んでいる。日本でも住宅街とかにあればそれなりに地元民に人気が出そうな類の店(ということはこちらでいうとかなりレベル高い)。ワインも手頃なお値段なので、ちょっといい感じの飲み会やカップル・夫婦などで使えると思う。

 

⑥The Eagle(パブ)£20~30

ケンブリッジで一番有名なパブ。ここでランチを食べているときにワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造を着想したなど、逸話には事欠かない。お味の方はというと、まあ普通のパブ。場所もKing'sからすぐなので、友達が来たときなんかに、観光がてらパブで一杯ひっかけたいというようなときには便利。ただしいつも観光客を中心に混んでいる。特に休日のランチ時は1時間近く食事を待たされたことがあるのでオススメしない。

MBAスタート

先週の月曜からMBAの本コースが始まり、あれよあれよという間に1週間が過ぎてしまった。覚悟していたことだけどMBAはネイティブスピーカーが多い。44か国から学生が来ており一番の国籍マジョリティ(おそらくアメリカ人)でも10%強という、多様性にあふれた環境ではあるけれど、大体みんな国籍は違っても英語圏で暮らしたことがあったり留学したことがあったりで英語ぺらぺらである。そういう人たちがワーッとしゃべると、まあ何言ってるかわからない。英語ができないのは、明確に日本人だけな気がする。今のところの体感理解度は、先生(授業)9割、同級生の発言5割といったところ…。ただ、授業は軒並み面白い(経済学とかであっても)。

 

私のスタディグループは、アメリカ人男性2人、バングラデシュ出身だけど10年以上アメリカにいる男性1人、タイ人女性(多分留学経験あり・ぺらぺら)1人。みんないい人そうではあるけど、先週いきなりスタディグループで議論をさせられたときはテンポについていけず本当に参った。

その日は午前中のプログラム(Organization in Contextという導入クラス)で30分ほど抽象的な議論をさせられたのだけど、まあ半分くらいしか言ってることがわからない上にコミュニケーションの取り方が全然違う。

同じ日の午後に1時間以上取るケーススタディがあったので、そのときには「ぶっちゃけ全然何言ってるかわからないのでゆっくり話してください」と先手を打った。けど、やっぱりなかなかついていくのは厳しい。特にその時は、授業中に配られたケースをその場で読んで意見を出す形だったので、読むスピード的にもかなり不利だった。意見出しにはほぼ貢献できなかったので、簡単な計算の提案をして%を弾いたところ、その視点が新しかったらしくなんとか少しは貢献できたのが救い。計算とかロジックとかのところで地道に稼いでいくしかなさそう。

 

今日は朝から晩までManagement PraxisというCambridge MBAの名物授業(?)だった。これは、いろいろなマネジメントやリーダーシップスタイルのセオリーを学びながら、特に今学期に行うCVP(会社等との協働プロジェクト)を通じて自分のマネジメントスタイルの得手不得手を認識して改善・伸ばしていくというもの。今日はレクチャーや全体でのゲーム、グループに分かれてのディスカッション等を織り交ぜたものだった。

今日の授業での学び(確認)としては、人を大きくDriver, Analytiacal, Amiable, Expressiveにタイプ分けしたときに、私はAnalyticalタイプだということ(これはこれまでもわかっていたことではあるけど。ちなみにクラスの半分くらいはこのタイプだった)。Analyticalな人間はロジックやデータが大好きだけど得てして熟考しないと決断しない。こういうタイプの人間がディスカッション等に参加すると、まあただでさえなかなか発言しないことになる。

+α、今は言語的な壁もあるから、そもそもみんなが何て言ってるのかしっかり理解して話に入ろうとしたら輪をかけて遅くなる。

それから、コミュニケーションの方法を考えたときに、日本人(等)は基本的に相手が発言し終えるのを待ってから話始めるのが礼儀だけど、アメリカ等では平気でオーバーラップしてくるというのも授業で共有された。

これを全部ひっくるめて考えると、まあ、ここでのディスカッションを考えたときに、発射台として相当「しゃべらない」方向への圧力が自分の中であるということ。死ぬ気で無駄に話に行くくらいじゃないと全然釣り合わない。

 

とりあえず今は①必死こいて予習する、②早急に授業中に発言する機会を作る(これもやっぱり難しい)、③スタディグループでは必死こいて発言する、という最低限の目標をおいてやっていきたい。(目標というか、一言でいえば「死ぬ気でがんばる」でしかないんだけど…。)

 

ちなみにネットワーキングや友達作りの方はというと、とにかく人が多すぎて名前が覚えられないのと、何言ってるか聞き取れないことも多いのとで、当初想定より苦労している。ただ、現状のコミュニケーションスキルからすると浅く広くやったところで結局ほとんど得られないまま終わるということもありそうなので、どちらかというと足元から少しずつしっかり固めていく方向で頑張りたいなと思っている。

 

まあ、人間30にもなれば自分を’Unconfortable Zone'に置かないと成長できないわけだけど、今はUnconfortableの極みみたいな生活を送っているので、ここで踏ん張れば成長できると信じている。(食生活のUnconfortableさは何も生まなそうだけど…。)