ケンブリッジ雑記帳2017-18

Cambridge Judge Business School (MBA) Class 2017-18に通う純ドメ日本人の備忘録。

銀行口座開設

ようやっと現地での銀行口座が開けた。後続の方々への情報という意味も含めてメモしておきたい。

 

私はBarcleysで口座を開設した。深い意味はないのだが、オンライン上での申し込みが簡単そうだったのが主な理由。1年以上の就学だと作れるらしい、International Student Accountというやつにした(普通の口座との違いはよくわかってない)。

http://www.barclays.co.uk/current-accounts/international-student-bank-account/

 

口座開設にあたっては各種証明が必要だったので、以下の書類を使った。

①Identityの証明:パスポート

②学生であることの証明:学校(ADTIS)から発行してもらったLetter

③現住所の証明:同上

ADTISのオンラインプラットホーム上に銀行用のレターを依頼するフォームがあり、そこに必要な情報をインプットすると数日でレターを発行してくれた。

 

銀行へのWEB申し込みは上記WEBサイト上の申し込みフォームから必要情報を打ち込むだけ。入力前にレターが必要かと思ったけれど(アップロードしろとかなんとかいわれるかと)、特に指示はなかったので発行前でも入力可能だと思う。一応、コース期間など、レターに載っている内容と平仄を合わせるべき部分があるので、できれば事前に入手しておいたほうが良い。とはいえ、最終的に銀行の窓口でこちらがオンラインで入力した内容とレターの照合をして間違いを修正したりするので、あんまり神経質にならなくてもいいかもしれない。

なお、通常はカレッジがこの手のレターを発行してくれるようだ。

 

フォームから申し込むとそのあと「実際の書類等を確認するために近くの支店のアポイントを取れ」といわれる。このアポイントもオンライン上で可能なのだけど、見てみたら8月30日くらいまでスロットが空いてなかったのでさすがに待てないと思ってアポなしで支店に行ってみたら、何のチェックもなく担当の人に通された(真っ正直に予約するだけ損するシステム…)。

窓口ではフォーム入力内容の照合をして、20分くらいで手続きが終わった。結局必要書類はパスポートと学校のレターだけだった。会社からのスポンサーレターや日本の銀行の残高証明も一応持って行ったけど必要なくて拍子抜け。

 

これで今日から口座自体はオープンしていて、口座宛の振り込みは可能。オンラインバンキング用のコードは数日以内、キャッシュカードとデビットカードは5営業日ほどで届く模様。

 

余談だけど、窓口担当者が査察される期間だったのか新人だったのか知らないが、横にもう一人銀行員がついて、担当者の発言や振る舞いを逐一メモしていた。それで、サービスの評価内容にフレンドリーさとかがあるのか、担当者がやたら雑談を振ってくる。それに加えて査察官も、担当者が打ち込んだ内容のチェックをしている間とかに、私を暇にさせてはいけないと思ったのか無駄に雑談を振ってくる。こっちは、きちんと聞き取り切れず、雑談振られてるのか大事な情報を確認されているのかわからないから聞き返す。というのを繰り返して、ビミョーな空気が流れてしまった。

終わった後、査察官が担当者に「あなたはちょっとここに残って。少し話があるから。」と言っていて、こっちが英語堪能じゃないばっかりになんか悪いことしてしまったかもしれんなと思った。

Scavenger Hunt

今日は夕方からSocial Programの一環でScavenger Huntというのをやった。

Scavengerは直訳すると腐肉食者(ハゲタカとかハイエナとか)。Scavenger Huntの日本語訳を調べると「借り物競争」と出てきた。要は、リストに挙げられた事柄や物をグループで探して集めてくるゲーム、ということらしい。

 

今回のテーマは「ケンブリッジにまつわるあれこれ」といったところで、5人位でチームになって、35問のクイズの解答を町中探して集めてくるといったもの。例えば、St. Mary's Churchは何がほかの教会と違うのか、その教会の横にある箱は何かなど、歩き回ったり人に質問したりしながら答えを探す。

今日はこれまであまり絡んだことのないメンバー(イタリア人、ペルー人etc)のチームに飛び込んでみた。グループ名を決めなくちゃならなかったんだけど、みんなアイディアが出てこず、「日本語でSuper coolな単語何かない?!」と無茶ぶりをされたので無理くり「IKEMENs」というチーム名をひねりだした。チームのマジョリティは女性だったけど、「Super cool guysのことだよ」とかなんとかテキトーなことを言って誤魔化してしまった。結果として、街歩きを通じてコミュニケーションが深められたし割と楽しかった。

 

こんな感じで色んなソーシャルプログラムがあるんだけど、結構ADTISの宿題とかMBAの事前準備とかやらなきゃいけないことがたくさんあって、全部に参加していると間に合わなくなりそうなのがキツイ。ただ、色んな文化背景の人と仲良くなるのがこの留学の目標の一つなので、できる限りソーシャルプログラムには参加するつもり。

ケンブリッジ観光

今週末は両親と祖母がケンブリッジに遊びに来たので、とりあえず観光。両親たちはSt. John's Collegeに宿泊したので中を見せてもらったが、流石St.John's、設備が今滞在しているPeterhouseより段違いで豪華だった。(Peterhouseもかなり裕福なカレッジのはずなんだけど…。)

 

とりあえず、私のカレッジを少し覗いたあとで、まずはパンティングに参加。パンティングというのは、小さなボートに乗って、3mくらいある長い竿で川底を突いてケム川を散策するもの。

Punt (boat) - Wikipedia

ケム川の左右には古くからのカレッジが並んでいるので、それらをのんびり見ながらのパンティングはかなり気持ちがよく、特に夏のケンブリッジでは非常に人気のあるレジャー。ちなみにガイド(漕ぎ手)付のツアーのほかに、自分たちでもパント(ボート)を借りて漕ぐことができる。この土曜は観光客がうじゃうじゃいて、パントがひしめきあう大渋滞状態の中で素人がパントのコントロールを失って横向きに川をふさぎ始めたりして完全にカオスだった。ちなみに、竿を川底にとられて川にボチャンする人もたくさんいるらしい(パント自体が転覆することもあるとか)。

 

それからキングス・カレッジの荘厳なチャペルを見学。その後トリニティ・カレッジ(ニュートンが所属した)の前にある林檎の木を見た。この木は、ほんとかウソか知らないが、ニュートンが重力を発見するきっかけになった林檎の木の分け木だといわれている。祖母はこの木が印象的だったと言っていた。

 

あとはSt.John's内のカレッジバーでビールを飲んで休憩して、それからFitzwilliam Museumを散策したあとThe Eagleにて夕飯。The Eagleはワトソン博士とクリック博士がDNAの二重らせん構造を閃いた場所らしい。この街では色んなところに色んな謂れがある。

 

しかしこの週末は本当に観光客が多かった。King's Collegeの周辺などは歩道に人が入りきらないくらい溢れかえっている。半分以上、いや3分の2くらいは中国人だと思う。観光客だけではなくて、夏場にサマースクールか何かで来ている人も多そうで、小学生くらいの子たちもたくさんいる。あまりにも観光客が多すぎるのでやはり問題にはなっているらしい。日帰りも多いのか、日曜の夜になると嘘のように人が少なくなって、少しほっとした。

 

今日、日曜は本当は学校のソーシャルプログラムでグランチェスターという街に散歩に行くというのがあったのだけど、朝起きてみたら体調が悪かったのでパスして夕方まで寝てしまった。風邪というよりは、ここ一週間で大量の情報が流れ込んできたので脳みそが休息を求めてたような気がする。明日からはまた気を取り直して学校に臨みたい。

ADTISスタート

月曜の夜のWelcome Party、昨日のAssessment&Interviewや事務手続き・PCアカウント立ち上げ作業等を経て、今日から本格的にPre-sessional Course(ADTIS)が始まった。

コースは全部で5週間くらいあるけれど、「これは単なる英語のコースじゃなくて学術的スキルのトレーニングだ」ということが強調されていた。単純に文法的に正しい英語で書けたり流暢にプレゼンをできるようになることを目的とするのではなくて、”Clarity”を担保した論文や発表ができるようにする、というのが目的ということ。

基本的には、レクチャーを受けてディスカッションをしたりするのに加えて、毎週エッセイやプレゼンテーションの課題が与えられる。今週は週末までに500~1000語のエッセイ(自分の専門分野の概念等についての説明)と、金曜の自己紹介プレゼンが課題。エッセイは毎週課されるけど、最終週は4000語書かなくてはいけないのでかなり重たい。先生との一対一のセッション(1時間)でフォローやフィードバックをもらいながら、アカデミックなしっかりしたアウトプットが出せるようになるというのが当座の目標になる。

コースにいるのは全部で70人弱くらい、それぞれの弱み等に合わせてクラスが4つに分けられている。基本的な内容や課題は一緒だけど、私のクラスはどうやらWritingにフォーカスがあてられているようだ。Writingはボロボロな自信があるので、ありがたい。

 

メンバーは、アジア人がマジョリティ。特に中国人が多い。もちろんほかにも、ラテンアメリカとかギリシャとか色んな国の人がいる。今日は夕食後にカレッジのバーで飲み会があったんだけど、初めてラテンアメリカ流の挨拶(頬をくっつけるやつ)をされてびっくりした。「ゴメンゴメン慣れてないよね、でも一定以上の距離に入るともう自動的にやっちゃうから止められないんだよねHAHAHA」とかいっていて、ラテンだなと思った。地域によって、一回で終わったり、最大で往復三回したりいろいろあるとか解説してくれた。

それから、どうやら今年は大学院生しかいない模様(大学生は別のコースなのか?)。MBAの学生が一番多い気がするけど、物理、化学、建築から文化人類学まで色んな研究をしてる人がいて面白い。

 

f:id:nalifeincam:20170810071744j:image

f:id:nalifeincam:20170810071809j:image

とりあえず毎日Peterhouseの裏庭を伝って朝晩の食事を取りに行っている。裏庭は、芝生の間に小道が敷いてあって、よく手入れされた花壇や大木が道の脇にあり、とても気持ちがいい。毎日リスも見るし(結構でかい)、日本じゃ見たことない知らない鳥(やたら大きいオナガみたいのとか)もいる。今日はシュッとしたシルエットの鳥が芝生でぴょこぴょこしてるなと思ったら、こちらに気が付いたのかふっと飛び立って木の幹に縦にくっついた。縦になってみたらキツツキだと分かった。頭も赤くて、いかにもキツツキでございって感じの風貌だったので結構テンションが上がった。ただ、ケンブリッジでみられる鳥の種類を解説したサイトとかないかなと思って「ケンブリッジ 鳥」で検索したら、残念ながらケンブリッジ飛鳥しか出てこなかった(おとなしく英語のサイトを調べろっちゅう話か)。

 

しかし今日はめちゃめちゃ雨が降って、15度弱しかなかった。ユニクロのウルトラライトダウンを引っ張り出したけど風にあおられると震えるほど寒い。同級生と買い物帰りに耐えかねて乗ったUberの運転手さんが「いやーどうよこの天気。マジで晴れてるね」みたいな軽口を叩いていた。

ケンブリッジ到着

やっとこさケンブリッジに着いた。電車で一時間くらいの距離だけど、今回は荷物が巨大だったのでタクシーを手配した(それでもやっぱり一時間くらい、90ポンドちょい)。今はネットでなんでも手配できるから本当に楽。

 

サマースクール期間中は、Peterhouse Collegeの施設に泊まる。Peterhouseはケンブリッジ最古のカレッジで、創立はなんと1284年らしい。日本で何が起きた年か調べてみたら、北条貞時が執権に就いた年てのが出てきたけど、全然ピンとこないですね。

宿泊場所の建物自体はもちろんそこまで古くない。カレッジから少し離れていて、普段は学生寮として使われている模様。とはいえ、日本基準から言ったら古いし、シャワールームは6人くらい(女性)で共用のが1つだけ、シャワーブースは50cm四方くらいしかなくて超狭い。まあ生活に必要最低限の設備は整っているので、部屋では寝られれば良い派としては特に文句はない。

 

今日は街の構造を勉強がてら、ぶらぶらと自分のカレッジ(Jesus College)のあたりまで散歩をしてみた。Jesusは広くて、美しく整えられた芝生を花壇が取り巻いていてとても綺麗。イギリスのガーデニングに対する執念は半端ない。天候が曇りがちで、建物も古くて見た目のバリエーションがなくて、そのままだと陰鬱な感じになるから、青々した芝生や色とりどりの花壇で気持ちを持ち上げるんだと思う。その辺で食べた簡単なランチ、わずか4ポンドでパン付のスープだったんだけど、これがびっくりするほど美味しくてこれからの食生活に少し期待が持てた。

 

f:id:nalifeincam:20170808004503j:image

f:id:nalifeincam:20170808004508j:image

Jesus CollegeのMain Court(たぶん)。花が凄く綺麗で写真撮り回ろうかと思ったけど雨が強くなったので逃げ帰ってきた。

 

ロンドン到着

フライトを終えてようやくロンドンにたどり着いた。もちろんエコノミークラスだけど、受験期間中に2週間で2回日英間を往復したときよりは百倍マシだった(もう二度とやりたくないし、受験中のぶっ飛んだテンションじゃないとできない)。

今回は観たい映画がたまっていたので4本も消化(ラ・ラ・ランド、スポットライト、美女と野獣、オデッセイ)。とはいえオデッセイは日本語字幕が付いておらず、心の準備だと思ってそのまま観た結果案の定かなりわからず不安が増したところ。もう腹くくるしかない。

あと、個人的にフライトシュミレータを観るのが好きなんだけど、今回機材の調子が悪かったのか途中からブラックアウトしてた。ただ、ロンドン上空は綺麗に雲が切れて、ロンドンの街が一望できた。

 

f:id:nalifeincam:20170807050556j:image

テムズ川とロンドン橋

 

f:id:nalifeincam:20170807024337j:image

 バッキンガム宮殿

 

赤茶けた屋根の同じサイズ・同じ形の家が道沿いに整然と並んでる様を見ると、異国に来たんだなあという感じがする。

 

警戒していた入国手続きはあっけなく終わった。質問はビザの種類は? どこの学校? なんのコース? くらいだった。

1時間半くらい並んでの入国だったから、入国審査官も早くさばきたかったのかもしれない。荷物受け取りに行ったら、入国に時間がかかり過ぎたせいで、もはやターンテーブルの番号が掲示されていなかった。係員に聞いたら、電光掲示板を観てとのすげない反応。それを見ても出てないから聞いたのに…。結局端から端まで探し回って、一番向こう端のテーブルまで行ったところで見つけた。

 

ちなみにネットと電話は、Giffgaffという格安SIMを事前に日本で取り寄せてアクティベートしておいたので、空港に着いた瞬間から開通している。もっとも、空港で他のSIMを自販機購入することもできる。日本の大手キャリアと違って契約もシンプルで月額5ポンドからあるし、ネット使い放題で通話もかなりついてるプランでも30ポンドしないし、安い。契約期間縛りとかもない。いやー便利な世の中になった。

 

今夜はロンドンに一泊して、明日ケンブリッジに移動する。ここ1週間はまた単身生活になることもあってかなりナーバスで、明らかに不安>>>楽しみさだったけど、着いてみたら吹っ切れた。明日からいきなりサマースクールのウェルカムパーティーがあるので、とりあえずテンション上げていきたい。

履歴書の自動添削サービス(VMock)

ビジネススクールMBA)は高等就職専門学校とも揶揄される。私は社費派遣なのであんまり意識してないが、ほとんどの学生は(起業含む)キャリアチェンジを主目的に入学するはず。ケンブリッジでいえば、学費は年間50,000ポンド超、そこに生活費もろもろがかかり、かつ私費の場合は会社を辞めてくるわけだから、多額の投資に見合ったリターンを上げなくちゃならないのはその通りだと思う。

そんなわけで、Financal Times等の学校ランキングでは就職実績や給与上昇率などが問われることもあり、学校側もキャリア支援サービスに積極的。昨日は入学前にキャリアチームのメンバーと話をしましょう、ということで20分前後のSkypeセッションがあった。

こっちは「社費なので職探しは出来ないんですよね」と言ったところ、「卒業後の拘束期間は何年?そのあとは色々オプションあるんだから是非活用してね」と宣伝された。これまでのキャリアの棚卸とかにも使えそうなので、せっかくなのでフィードバック面談とかは色々使ってみようと思う。

 

そんなキャリアサービスの一環に、オンラインでの履歴書の自動添削サービスがあった。これはVMockというベンチャー企業が立ち上げたサービス(https://www.vmock.com)。ビジネススクールとの法人契約を中心に活用されているようだ。入学後にはしっかりしたキャリアカウンセリングも受けられるが、現時点ではとりあえずこれを使ってCV(履歴書)をブラッシュアップしてこいという趣旨だ。

使い方は、ログインして、PDF化したCVをアップロードするだけ。至極簡単。そうすると、1分程度のローディング時間のあとで、そのCVの評価(スコア)とずらずらっとした添削のようなものがオートマティックに出てくる。

例えば、一般的なCVの形式に沿っているか、同じ単語ばっかり使っていないか、具体的な数字等を使って職歴・スキルを説明できているか、などがチェックされている。また、スキルや経験をアピールできているかについては、"manage", "led", "collaborate"などの単語が使われている回数などからスコアを弾いているらしい。機械的だけど、形式面だけじゃなくて一応内容面も見てますよということのようだ。全体だけではなくて1パラグラフごとにフィードバックも出てくる。

私の履歴書は結構高スコアだった。まあ、MBA受験用に作ったものに直近の職歴を追加したものなので、ほとんどの部分は本職のカウンセラーに高いフィーを払って添削してもらったものだから、それなりのスコアが出ないと困る。ただ、CV(ひるがえればその裏側経験・スキル)が実際どの程度魅力的なのか、というところの判断は、このサービスじゃ限界がある。最低限のところはこのサービスを使って整える、という意味では、キャリアチーム的には生産性が上がって便利なのだろう。

ちなみに、このシステムは日本じゃなかなか適応が難しいし、ニーズも薄いんだろうなあと思う。そもそも新卒採用がメインだし。欧米の履歴書はフォーマットがほぼ統一されてて、かつ仕事で実際にやってきたことなどを具体的にいろいろ書く、というところで応用の余地があるんだと思う。が、AI(?)の技術がこんなところにも来てるんだなあということで、なかなか面白かった。